容量の大きなバッテリーへの交換を検討されている方もいらっしゃるかと思います。バッテリーの容量アップはバッテリー上がり対策になり、特にサンデードライバーやチョイ乗りユーザーにおすすめです。
本記事では、車のバッテリー容量アップが効果的なケースやメリット、バッテリー容量の確認方法について詳しく解説します。
目次
1. そもそもバッテリーの容量とは?
車のバッテリーの容量とは、バッテリーから取り出せる電気の量のことです。電気の取り出し方によって容量は変わるため、時間率容量(Ah(アンペアアワー))という単位で基準化し表示されています。
JIS規格のバッテリーの場合、型式の最初の数字(①)が性能ランク(総合性能)を意味し、始動性能や容量を表しており、数字が大きくなる程、性能が高くなります。

バッテリーの容量アップとはこの数値が大きいバッテリーに変えることを指します。
※容量アップ=サイズアップではありません。
2. 車のバッテリー容量アップが効果的なケース
車のバッテリー容量アップは、電装品の追加や寒冷地での運転をはじめ、サンデードライバーやチョイ乗りユーザーのバッテリー上がり対策に効果的です。
サンデードライバーやチョイ乗りユーザーは、走行による充電量より暗電流やエンジン始動などによる放電量が上回る可能性があります。容量が大きいバッテリーを選んだ方が、放電に余裕しろが生まれバッテリー上がり対策になります。
また、一部のカーメーカーからは容量が高いタイプのバッテリーやサイズアップしたバッテリーが搭載された寒冷地仕様車が販売されています。寒い環境下ではバッテリーの化学反応が鈍り性能が低下するため、寒冷地以外の地域にお住いの方も冬のバッテリー上がり対策として、容量アップを検討しても良いでしょう。
反対に、容量ダウン(新車搭載バッテリーの総合性能を下回る)する場合、バッテリー上がりや短寿命などのトラブルの原因になります。容量ダウンは補償対象外になりますので、お控えください。
3. 車のバッテリーを容量アップするメリット
車のバッテリーを容量アップする一番のメリットは、バッテリーが上がりにくくなることです。電装品を多く搭載している方や遠出などのシーンでもバッテリー上がりのリスクが下がり、安心してドライブを楽しむことができます。
また、容量アップすることで、バッテリーへの負担が小さくなり、放電気味での使用期間が減少するため、サルフェーションなどの劣化現象が緩やかになり、長持ちする可能性があります。
4. バッテリー容量の確認方法
車に搭載されているバッテリー容量の確認方法が分かれば、容量アップを検討する時に役立ちます。バッテリー容量の見方を2つご紹介します。
型式で確認する
バッテリー型式の最初の数字(例:55B24Rの場合「55」)は性能ランクを表す数字です。同じサイズであれば性能ランクが高い(数字が大きい)ほど、バッテリーの総合性能(始動性能や容量)が高くなります。

ただし、バッテリーの性能は性能ランクだけでは判断できません。耐久性や充電受入性などはこの総合性能からは判断できません。あくまでも性能ランクはバッテリーの性能を図る指標のうちの一つです。
5時間率容量で確認する
JIS規格のバッテリーでは、5時間率容量(5Ah)(※)が用いられます。5時間率容量とは、「完全充電したバッテリーを25℃で公称容量の1/5の定電流で放電し、放電終止電圧の10.5Vになるまでの電流(A)と時間(h)の積」を表しています。
(※2019年のJIS規格改正により、20時間率容量も追加となっています。)
<5時間率容量が40Ahのバッテリーの場合>
40Ah(5時間率容量)=8A(電流)×5h(時間)
<20時間率容量が60Ahのバッテリーの場合>
60Ah(20時間率容量)=3A(電流)×20h(時間)
その他、欧州車用バッテリーは20時間率容量(20Ah)、オートバイ用バッテリーは10時間率容量(10Ah)が採用されています。
参考:各時間率放電特性

5. まとめ
車のバッテリー容量とは、バッテリーから取り出せる電気の量を示すもので、時間率容量(Ah)で表されます。容量アップは、電装品の追加や寒冷地での運転をはじめ、サンデードライバーやチョイ乗りユーザーのバッテリー上がり対策に効果的です。容量アップすることで、放電の余裕しろができるためバッテリーへの負担が小さくなり、バッテリー上がりを防止したり、バッテリーの寿命を延ばすことができる可能性があります。
バッテリー容量の確認方法には、バッテリー型式の最初の数字を確認する方法と、カタログや取扱説明書などに記載されているJIS規格の5時間率(20時間率)容量を確認する方法があります。
バッテリー上がりが心配な方は、ぜひ容量アップをご検討ください。