目次
1. バッテリー上がりの対処法
突然バッテリーが上がり、エンジンがかからなくなってしまった…!
こんな緊急事態への対処法をご紹介します。
1) ブースターブルを使ってジャンピングする
ブースターケーブルを使用して救援車のバッテリーから電気を分けてもらうことで、エンジンをスタートさせる方法です。
≪バッテリー1個積み(12V車)の場合のブースターケーブルの接続手順≫
※車には12V車と24V車があります。バッテリーを2個使用している車両はその車両の取扱説明書に従ってください。
※ハイブリッド車の救援については、車両の取扱説明書に従ってください。
- トラブル車と救援車のバッテリーが12V・同容量(サイズ)であることを確認する。(救援車のバッテリーが小さい場合はジャンピングできない場合があります)
- トラブル車、救援車ともパーキングブレーキをかけ、エンジンキーをOFFにする。
- バッテリー液量を点検し、LOWER LEVEL以下の場合は補水する。
- ブースターケーブルを接続する。
① トラブル車のブラス端子に接続する
② 救援車のプラス端子に接続する
③ 救援車のマイナス端子に接続する
④ トラブル車のエンジン本体(フックなど)やフレームに接続する
※必ずバッテリーから離れた場所に接続してください。 ※ブースターケーブルは外れないようにしっかり固定し、冷却ファンやベルトに巻き込まれないようにして下さい。
⑤ 救援車のエンジンをスタートさせる。回転数を高めにする。
⑥ トラブル車のエンジンをスタートさせる。
⑦ ブースターケーブルをつないだ時と逆の手順で外す。(④→③→②→①)
※ジャンピング後には、最寄りのバッテリー販売店、または自動車販売店で点検を受けることをお奨めします。
≪なぜ最後にエンジンブロックに繋ぐの?≫
電気は電圧の高い方から低い方へと流れます。
トラブル車のバッテリーは弱っているので、電圧が低い状態ですが、救援車のバッテリーは正常なので、電圧が高い状態です。そのため、最後にトラブル車のバッテリーのマイナス端子に接続すると、火花が飛ぶ可能性が高くなります。最悪のケースでは、その火花がバッテリーから発生した水素ガスに引火して爆発する恐れがあります。
そのため、最後にはバッテリーから遠いエンジン本体(フックなど)に接続するのです。
2) バッテリーを充電する
単なるバッテリー上がり(寿命や内部故障以外)であれば、充電により回復します。
基本的な手順はこちらに記載しています。
※詳細は充電器添付の取扱説明書に従い、正しい手順で行ってください。
3) バッテリーを新品に交換する
寿命や内部故障以外の理由でのバッテリー上がりは、充電すれば再使用できるケースが多いですが、放電状態で長期放置された場合などは、充電しても以前の性能は発揮できません。また、バッテリーの交換目安は2~3年です。2年以上使用しているバッテリーが上がってしまった場合には、新しいバッテリーへの交換を検討される事をお奨めします。
バッテリーの劣化具合は使用状況により異なりますので、使用年数だけでは判断ができません。現在ご使用のバッテリーをご購入いただいたお店、もしくはお近くの弊社販売店にご相談ください。
2. バッテリー上がりの原因は?
原因は「単なる放電」と「バッテリーの寿命・故障」の2つに分けられます。
ほどんどのケースは「単なる放電」です。
車を運転しない間も、バッテリーはコンピューターやセキュリティシステムなどに対して、常に電気を供給しています(暗電流と言います)。また、バッテリーは何もしなくても少しずつ放電していきます(自己放電と言います)。そのため、バッテリーのサイズや車載の電装品にもよりますが、3~4週間車に乗らないだけでバッテリー上がりを起こしてしまうことがあります。
<代表的なバッテリー上がりの事例と回復>
- 半ドア、ライト消し忘れ等による過放電
→バッテリーが新しい場合は充電すれば回復します。 - 長期間乗らないことによる暗電流による放電
→放置期間が短い場合(1ヶ月程度)は充電すれば回復します。 - 車両側充電装置(オルタネーター、レギュレーターなど)の故障による、充電不足
→車両側修理が必要です。バッテリーが新しい場合は充電すれば回復します。 - 後付け電装品(オーディオ・ドライブレコーダーなど)による、暗電流や消費電力の増大による放電・充電不足
→バッテリーの容量アップ等の検討が必要です。 - 端子緩みによる接触不良
→端子部の接続状態を確認の上、バッテリーが新しい場合は充電すれば回復します。 - バッテリーの寿命
→交換が必要です。 - 事故等の衝撃によるバッテリー内部故障
→交換が必要です。
3. バッテリー上がり防止対策は?
「単なる放電」によるバッテリー上がりを防ぐためには、定期的に車を走らせることで、バッテリーを充電してあげましょう。使用頻度が低い方や「チョイ乗り」が多い方は、短時間でも効率的に充電ができる充電受入性能の高いバッテリーを搭載することもお奨めです。
また、最近は「バッテリーの突然死(寿命)」によるバッテリー上がりも多くなっています。これは車両およびバッテリーの性能が向上したことで、寿命末期までエンジン始動ができるため、ドライバーがバッテリーの劣化に気が付かないためです。内部劣化状況は外観からはわからないため、車両販売店もしくはバッテリー取扱店で、定期的にバッテリー点検をされることをお奨めします。点検の結果、劣化が見られた場合には、トラブル前の早めの交換をしましょう。
4. バッテリーの寿命は?
バッテリーが寿命になる原因は、経年劣化、電装負荷が多いことによる劣化、温度環境が厳しいこと(高温環境)による劣化、放電気味使用や長期放置(放電)による劣化、メンテナンス不足(液不足)による内部劣化などがあります。
使用環境により使用できる期間は大きく変わりますが、2~3年経過すると寿命を迎えるバッテリーが多くなります。
バッテリートラブルを避けるために、定期的に車両販売店もしくはバッテリー販売店での点検をしていただき、2~3年を目安に定期交換されることをお奨めします。