1. 充電方法
必ず、各タイプのバッテリー本体に記載されている指定の電流値で充電を行ってください。
本体に記載がない場合は、容量の1/10の電流で充電してください。
充電電流はバッテリーのサイズによって異なります。
1) 開放式バッテリーの充電
- 充電時間の目安
通常の充電は10時間率容量の1/10電流で行ってください。
なお、急速充電を行う場合、最大充電電流は10時間率容量の1.5倍とし、この場合充電時間は30分以内とします。
※下記は回路電圧での充電時間の目安ですが、充電時間は充電器により異なりますので、充電器の取扱説明書の充電時間も合わせて参考ください。
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回路電圧(V) 充電時間の目安 12.4 4時間以内 12.3 6時間以内 12.2 8時間以内 12.1 10時間以内 12.0 12時間以内 11.8 15~20時間以内
- バッテリーを補充電するときには、液口栓を外し、火気のない風通しの良いところで行ってください。(充電中は引火爆発性のある水素ガスが発生しています)。
排気エルボのシール管(ゴムキャップ)が付いていないことを確認してください。構造上、シール管(ゴムキャップ)をつけていないものもあります。 - バッテリーの公称電圧に合わせ、充電器の電圧切替スイッチを設定します。
- バッテリーの極性に合わせ充電クリップをプラス⇒マイナスの順に端子にしっかりと取り付けます。
- 充電器の電源プラグをコンセントに接続し、充電スイッチをONにします。電電流は10時間容量率の1/10です。
- 充電が完了すれば、充電スイッチをOFFにし、電源プラグをコンセントから抜き、充電クリップをマイナス⇒プラスの順に端子より取り外します。
- 充電後は液口栓をしっかり締め、水を掛け、硫酸分を洗い落としてください。
2) VRLA型(制御弁式)の充電
※VRLA型(制御弁式)バッテリーの場合、専用充電器をご使用ください。
※専用充電器の多くは完全自動の為、電源スイッチを入れるだけでOKですが、手動式のものもありますので、詳しくは充電器の取扱説明書に従って下さい。
【注意!】
充電中はバッテリーが異常発熱していないか時々確認し、異常を感じたらすぐに充電を中止してください。
24時間充電しても充電が完了しない場合は、バッテリーが不良です。
※専用充電時間による充電時間の目安
下記の表は100%放電状態から約80%充電状態までの目安です。(新品、電池温度25℃)
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バッテリー容量
Ah/10時間率充電時間 2.5 3.5時間 4.0 4.5時間 6.0 5.5時間 8.0 7.0時間 10.0 8.5時間 12.0 9.5時間 14.0 11時間 16.0 13.5時間
- いかなる場合でも密封栓は外さないでください。
- バッテリーに表示されている電流値、充電時間を厳守して充電を行ってください。急速充電を緊急でやむを得ず行う場合は、バッテリーの表記に従ってください。
- 専用充電器がない場合、過充電による液枯れが原因で性能が低下したり寿命が短くなります。もし、充電中にバッテリーに異常(急に電池温度が高くなったなど)が確認された場合、直ちに充電をストップしてください。
※急速充電
エンジンが始動できる状態まで応急的にバッテリーを回復させる充電方法です。
急速充電は短時間でエンジンをかけることができる位まで充電することができますが、満充電までは充電できません。また、バッテリーの寿命が短くなりますので緊急の時以外は普通充電を行ってください。
充電電流および充電時間はバッテリーのサイズによって異なります。充電電流と充電時間はバッテリー本体に記載されていますので、必ず指定の電流値で充電してください。
注意
急速充電はバッテリーの寿命を縮めますので、できるだけ普通充電を行ってください。
充電に関する注意
詳細な充電方法は充電器の取扱説明書をお読みください。
- VRLA(制御弁式)のバッテリーを充電する際は、必ずVRLA (制御弁式)対応の充電器をご使用ください。
- 詳細な充電方法は充電器の取扱説明書をお読みください。
- バッテリーの電解液は、希硫酸です。衣服や皮膚に着かないようにご注意ください。
2. メンテナンス
日頃から定期的な点検を心がけましょう
- 液量・液面点検
開放式タイプ
- バッテリー液量の管理
バッテリー液が減っていたら、精製水(又はバッテリー用補充液)を補充しましょう。液が減ったまま使用すると、寿命に影響するばかりではなく、爆発の原因になります。
VRLA型タイプ
- 液量点検・補水は不要です。
VRLA (制御弁式)タイプのバッテリーは電解液面点検、補水は出来ない構造になっています。密封栓を外しての補水は、短寿命となるほか液漏れの原因となりますので絶対に行わないでください。
- バッテリー液量の管理
- 端子部の点検
端子が緩んでいないか、腐食していないか、損傷していないかをチェックしましょう。
端子が緩んでいると、火花が飛んで爆発の原因となりますので、確実に固定してください。 - 充電状態の点検
エンジンのかかりが悪い場合は電圧をチェックし、充電状態を調べましょう。 - 車両への取り付け状態の点検
車両にしっかりと取り付けられているのか確認しましょう。 - 車両側充電装置の点検
車両側充電装置(ジェネレーター、レギュレーターなど)を定期的に点検し、バッテリーへの充電電圧が正常かどうかをチェックしましょう。
一般的に正常な充電電圧は13.5V~15Vほどです。充電電圧が正常でないとバッテリー上がりや爆発の原因になります。
※適正な充電電圧は車種によって異なりますので、詳しくは車両販売店へお問い合わせください。
3. 長持ちの秘訣
ポイント①
バッテリーを常に満充電状態に保つことが大切です。
たまにしか乗らない、コンビにまでのチョイ乗りが多いなど、充電不足状態が慢性的に続くとバッテリーの寿命は短くなります。長期間乗らない場合は、自己放電を抑えるためにマイナス端子を外しておきましょう。また長期間保管したあとにバイクに乗る際は、バッテリーを充電させてから乗りましょう。
ポイント②
深いサイクルの充放電を繰り返すと寿命が短くなります。
エンジンを止めた状態でライトを点灯し続けるのはやめましょう。
※キックスタートがある車種でエンジンのかかりが悪い場合は、キックスタートを使いましょう。
ポイント③
車両充電装置が正常であること
バッテリーと車両側充電装置(オルタネーター、レギュレーター)は密接な関係を持っており、このバランスが崩れると、あっという間にバッテリーが寿命になってしまう場合があります。車両側の定期点検も忘れずに実施しましょう。
4. これはダメ!
- 必要以上に充電し続けること
- 急速充電の繰り返し
- バイクに搭載したままの充電
- +と-を逆に接続
- バッテリー液が減っていたとき、電解液(希硫酸)を補充。
- 指定サイズ以外のバッテリーを搭載
- バッテリー交換時、作業手順を無視した順番で作業する
- ふたをこじ開ける(VRLA (制御弁式)タイプのみ)
5. 開放式からVRLA (制御弁式)タイプへの載せ換えについて
VRLA (制御弁式)タイプのバッテリーの特徴を参照ください。
車両のレギュレーターからバッテリーへの充電制御は新車搭載時のバッテリーをもとに設計されています。
バッテリーの構造上、開放式タイプとVRLA (制御弁式)タイプは充電電圧の制御方法が異なります。よってむやみに載せ換えを行うと、思わぬ短寿命や爆発が起きる可能性がありますので、載せ換えは行わないでください。